『快傑ズバット』の世界を見よ!!

〜「ただし、その腕前は日本じゃあ二番目だ」〜

『快傑ズバット』……それは、1977年に制作された特撮ヒーロー番組である。
原作は『サイボーグ009』の石ノ森章太郎氏、脚本は『人造人間キカイダー』の長坂秀佳氏、主演は『仮面ライダーV3』の宮内洋氏。
当時の他の番組とは一線を画した大人向きの内容、そして宮内洋氏の珠玉の演技の数々と相まって、今でも根強いファンは多い。
このページでは、私が愛してやまない『快傑ズバット』の魅力について少々語りたいと思う。



『快傑ズバット』は、ここが一味違う!

〜旅の理由〜

主人公の私立探偵、早川健は、何者かに親友の飛鳥五郎を殺され、その復讐を果たすためにさすらいの旅に出る。
別に日本の平和を守るとか、悪の組織を壊滅するためではない。
殺された親友の復讐を果たすためである。
もちろん、旅先で悪の組織に苦しめられている人々を見ると必ず助けに入るが、それがメインの目的ではない。
もしも、いきなり飛鳥殺しの真犯人が見つけ出せていたら、その時点でさすらいの旅を終わらせていただろう。
親友を殺した犯人探しの旅……それが『快傑ズバット』のメインテーマなのだ。


〜生身でも強い!〜

早川健は各話ラストの悪人との対決時に、必ず強化服の『ズバットスーツ』を着て、特殊自動車の『ズバッカー』に乗って戦う。
しかし、それ以前の生身の状態でも早川健は充分に強い。
その辺の雑魚など全く相手にもならないし、そのまま生身で乗り込んでも余裕で勝てるのでは、と思ってしまうほどだ。
とはいえ、ただでさえ強い早川健が強化服まで着れば鬼に金棒だし、何より『ズバットスーツ』、『ズバッカー』は飛鳥五郎の形見とも言える品である。
第1話でも言っているように、早川健は飛鳥五郎の服と車で仇を取りたいのだから。


〜日本一対決〜

各話に出てくる悪人は自分の身を守るために用心棒を雇っており、早川健はまず用心棒と対決することになる。
用心棒たちは、それぞれ特技(早撃ち、居合い斬り、ナイフ投げ、弓矢、釣り、ゴルフなど)を持っており、自分こそが日本一だという自信を持っている。
それに対して早川健は、用心棒のさらに上を行く技を繰り出して勝利し、敗れた用心棒は一旦その場を引き下がっていく。
この、いわゆる『日本一対決』の場面で繰り出される技の数々は、もはや日本一どころか宇宙の法則すら超越した魔法のようなレベルにまで到達しており、『快傑ズバット』を語る上では決して外せない要素の一つになっている。


〜宮内洋氏の演技〜

早川健を演じる宮内洋氏が随所で見せる数々の名演技は、まさにインパクト絶大!
その理由はオープニングを数十秒見れば、自然と理解できるだろう(笑)。
これほどキザな演技をカッコ良く決められる役者は、他にいないと言っていい。
その仕草、決めゼリフ、アクション……どれを取ってもまさにハマリ役で、宮内洋氏でなければ『快傑ズバット』は完成しなかった、と言われるほど。
宮内洋氏自身も、「全てを含めてやっぱり私は『快傑ズバット』なんだ」、「早川健=宮内洋です」と言っているくらいだ。


〜主題歌が良い!〜

オープニングの主題歌『地獄のズバット』と、エンディングの『男はひとり道を行く』。
どちらも一度聴いたら忘れられないほどの名曲で、特に『地獄のズバット』は、いきなり琵琶の音色から始まるという異色ぶり。
多分、カラオケにも入っているはずなので、『地獄のズバット』を歌う時は途中で「飛鳥ぁぁぁぁぁ―――――っ!!!」と叫ぶのを忘れないように(笑)。


……これでもまだまだ『快傑ズバット』の魅力の1000分の1も語れてはいないと思うが、語り尽くそうとすると本当にキリが無いので、この辺にしておきましょう。
もっと詳しく知りたいという人は、ページ下部のリンクをどうぞ。


個人的考察 その1
〜なぜ早川健のギターから伴奏が聞こえて来るのか!?〜

早川健がギターで『二人の地平線』を弾きながらカッコ良く登場するシーンは、『快傑ズバット』における見どころの一つである。
この時、早川健が手袋をしたままギターを弾いているとか、ギターの中にズバットスーツが格納されているのに、なぜ音が鳴るのか?というツッコミと共に提出される疑問が、「なぜ一人で弾いているのに、同時に伴奏まで聞こえて来るのか?」である。
本来なら、こんな些細な事を気にしている時点で日本じゃあ三番目以下なのだろうが、今回の考察ではあえてこの謎に迫ってみたいと思う。

「早川健は何をやっても日本一の男なのだから、手袋をしたままギターを弾くのと同様、一人で同時に伴奏を付ける技くらい習得していて当然だ!」と言われれば、全くその通り!と納得するしかないのだが、それではそこで話が終わってしまう。
早川健の技以外の可能性はないものかと考えていたところ、私はある楽器の存在を知ることとなった。
その楽器の名は『ハルダンゲルバイオリン』。ノルウェーの民族楽器である。
その『ハルダンゲルバイオリン』の解説文を読んでみると、「通常の四本の弦の下に『共鳴弦』という五本の弦が張られてあり、それによって一人で弾いていても二人以上で弾いているようなハーモニーが得られる」と書いてあるではないか!
これなら、あの同時に聞こえて来る伴奏の謎も説明が付くかもしれない。
実際に音色を聴いてみれば、さらに納得すること確実!
その『ハルダンゲルバイオリン』の音色を聴きたい人は、こちらのページへズバッと参上!

結論として、画面上では確認できないが、あのギターには共鳴弦か、もしくはそれに相当する装置が仕込まれていて、あたかも伴奏が付いているように聞こえる……という説はどうだろうか?
思えば、あのギターは飛鳥五郎の形見の品。
ズバットスーツやズバッカーを設計した飛鳥五郎なら、一人で弾いても伴奏が聞こえて来るギターを作ることくらい、朝飯前だったに違いない!


……というわけで『個人的考察 その1』は、いかがだったでしょうか?
その2があるかどうかは、私にも永遠の謎ですが(笑)。


快傑まふっとの、『快傑ズバット』との出会い

私、快傑まふっとが『快傑ズバット』を知り、そして大いにハマる事になったのは、私の姉によるところが大きい。
私の姉は、ちょうど『快傑ズバット』をリアルタイムで視聴できた世代だった(その頃、私はまだ2〜3歳)。
なので私は、事あるごとに姉から「とにかく『快傑ズバット』は凄い。あれ以上の物は考えられない」と、何度も繰り返し教えられてきた。
しかし、知っての通り『快傑ズバット』の凄さを言葉だけで表現することなど到底不可能。
私は姉の説明を何度聞いても、正直言ってピンと来なかった。
結局、『快傑ズバット』の凄さを理解するには、実際に視聴するしかないのだ。
そこで姉は、ある日……当時発売されていた『快傑ズバット』のVHSビデオ全4巻を買うという行動に出た。
それを視聴した私は大いに度肝を抜かれ、あっという間に『快傑ズバット』の魅力に取り憑かれてしまったのだ……。
私の予想を遥かに上回る展開と世界観を目の当たりにして、「ここまで凄まじい作品が、この世に存在していたのか……!」というのが、その時の素直な感想でした。
しかし、VHSビデオだけでは『快傑ズバット』の全貌は明らかにならず、特に結末がどうなったのかがずっと気になっていた(姉も最終回付近は見られなかったそうだ)。
そして時は流れて2002年。ついにCSで『快傑ズバット』が再放送され、姉共々ようやく全話視聴することができたのだった……。

無事に全話視聴し終えてから、そろそろ15年。そして放映開始からちょうど40年。
再び再放送するか、ブルーレイBOXでも発売してほしいものです。
こんな前代未聞、空前絶後な作品は、決して時の流れの中に埋もれさせてはならない……。
私、快傑まふっとは今もそう信じているのであります!


2017.2.2 追記


『快傑ズバット』リンク集


快傑ズバット(Wikipedia)   快傑ズバットDVD-BOX   快傑ズバット大全(解説本)

まずは基本から。


さらに詳しくて面白い『快傑ズバット』の紹介ページ

「これがズバットだ!とくと拝んで行きやがれ!」な紹介ページ

快傑ズバット研究所

私が言いたいことは、すでにこれらのサイト様が力説してくれていました。




「……行くのか?」 「ああ。風が俺を呼んでいる」

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