2007年6月4日 高野山(前編)

今回は弘法大師ゆかりの地、高野山へ行ってきました。
文字通り聖地と言っていい高野山……ここで管理人の煩悩が少しでも浄化できると良いのですが(笑)。




高野山へは鉄道を使うなら南海電鉄の南海高野線を利用します。
大阪から日帰りで高野山を見て回るなら、できるだけ朝早い列車に乗るのがおすすめ。
写真は難波駅のホームに停車する特急『こうや+りんかん』。

ちなみに南海電鉄では『高野山・世界遺産きっぷ』という超お得な往復乗車券を販売しています。
これを買わないと、かなり不便で損することになるので、高野山へ行く時は必ず買いましょう。
今回は奮発して特急券付きバージョンを買いました。
『高野山・世界遺産きっぷ』についての詳しい情報は→こちら
『こうや』と『りんかん』の連結部。
特急『こうや』は、特急『りんかん』と併結されて運行されることがあります。
写真奥の車両が、これから私が乗る『こうや』で、手前の車両が『りんかん』。
『こうや』は橋本駅で『りんかん』の車両を分離して高野山へと向かいます。
難波駅を午前9時15分に発車して、列車は大阪府南部を快走。
あっという間に和歌山県へと突入し、林間田園都市駅・橋本駅を経由して紀ノ川を越えます。
紀ノ川を越えると、周囲の風景は一気に山岳地帯へと変わります。
線路も急カーブ・急勾配が続き、まるで特急とは思えないほどの低速運転で高野山を目指します。
そして終点の極楽橋駅へ到着。
難波からここまでの所要時間は、特急だと約1時間20分。
この時点で標高は538メートルに達し、空気は明らかに大阪市内より涼しく感じられました。
高野山へとつながる駅の名前が『極楽橋』とは、まさに絶妙なネーミングですね。
ここから先へは高野山ケーブルに乗る必要があります。
これが高野山ケーブルの車両。
標高867メートルにある高野山駅までの所要時間は5分です。
高野山駅前の風景。
バスが多数並んでいますが、ここから高野山内へ入るには基本的にバスを使うことになります(徒歩での移動は禁止されているため)。

前出の『高野山・世界遺産きっぷ』を買っていればバスのフリー乗車券が最初から付いているので、スムーズな乗り継ぎが可能です。
まずはバスで一番奥にある奥の院へと向かいます。
二つある入口の内、この写真の入口(バス停・奥の院前で下車)の方が弘法大師御廟に近いので、時間を節約したい人はこちらがおすすめです。
奥の院には多数の墓や慰霊碑などがあります。
これは新明和工業の慰霊碑。
アポロ11号が1969年に月面着陸を達成したのと会社創立20周年が重なったため、このようなロケット形の慰霊碑にしたそうです。

墓や慰霊碑を建てるのにも厳しい規定があるのかと思いきや、意外とフリーダムな空気がここには漂っています。
シロアリを駆除する会社の慰霊碑。
この他にもヤクルトやシャープなど、多数の会社の慰霊碑が建っていました。
ご覧の通り奥の院は見渡す限り墓や慰霊碑が建ち並んでいるのですが、不思議と不気味な雰囲気は感じませんでした。
やはり日本における仏教の聖地だからでしょうか?
奥の院を歩いていると突如として現れた、山のように積み上げられた石塔・墓石・地蔵様などの集合体。
そのインパクトは抜群です。
これらは無縁仏なのでしょうか……?
御廟橋(みみょうのはし)の手前にある水向(みずむけ)地蔵。
地蔵菩薩・観音様・不動明王など、多数の像が並んでおり、参拝者はこれらの像一つ一つに水を掛けてから手を合わせて祈ります。
御廟橋から奥は聖域なので、写真撮影などは禁止です。
この奥には多数の燈籠がある燈籠堂と、今も弘法大師が生きて訪れる人を救い続けているという信仰が伝わる弘法大師御廟があり、奥の院の中でもひときわ神秘的な空間が広がっています。
弘法大師御廟を参拝した後は、来た時とは別の参道を通って一の橋へと歩いてみます。
写真は参道の脇に生えている、三つに分かれた木。
元は別々に生えていた三本の木の根元の部分が一体化したようです。
中の橋のすぐ近くにある汗かき地蔵の横には『姿見の井戸』があります。
この井戸を覗き込んで、もしも水面に自分の姿が映らなかったら残りの寿命が三年以下という、ちょっと怖い言い伝えが存在します。

私も恐る恐る井戸を覗いてみましたが、無事に姿が映ってくれました。
とりあえず、2010年までの命は保証されたようです……。

(後編に続く)




          

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