2011年2月2日 雪の比叡山(後編)

雪の比叡山は、いつも以上に霊山らしい空気が流れているように感じられます。
そんな中を、時間が許す限り歩きました。




大講堂の近くにある、鐘楼の鐘。
前回来た時は長蛇の列だったので撞けませんでしたが、今回は人が少なかったので余裕で撞けました。
ちなみに一打50円なり(連打不可)。
僧侶達が学問研鑽のために論議する道場、大講堂。
現在の大講堂は1964年に山麓の坂本にあった讃仏堂を移築したものです。
阿弥陀堂へと向かう途中にある石段。
同じ東塔地区でも根本中堂の近くとは違って、積雪が多くて除雪もなかなか追い付いていない様子でした。
石段を登り終えた直後に自分の足元を撮ってみました。
見たところ10cmは雪が積もっているようですが、これでもまだ少ない方。
場所によっては足が簡単には抜けなくなるほど積もっている所もありました。
1937年に建立された阿弥陀堂。
その名の通り阿弥陀如来が本尊です。
写真にもあるように、パワーショベルを使って除雪中。
大量の雪をトラックに乗せて、次々と運んでいました。
一番綺麗に雪が積もっている所を撮影。
以前の鞍馬山と良い勝負です。
阿弥陀堂からさらに上へと登って、西塔地区を目指します。
ここまで来ると積雪はさらに増え、周囲の風景は完全に雪山の様相を呈してきます。
登り坂が一段落すると、写真のように奥比叡ドライブウェイに沿って道が続きますが、ここを通る車は一台もなく、まさに静寂そのものでした。
阿弥陀堂から約15分くらいで、ドライブウェイの上を渡る橋に到着。
何の変哲も無さそうですが、橋の手前が積雪のせいでまるで滑り台のようになっており、ここを通るには細心の注意が必要でした。
そしてこの橋を渡ると長い下りの石段があって、その先に浄土院がありますが、ここの石段も除雪はされておらず、ほとんど氷の坂みたいになっていて、手すりを持ちながら降りて行かないと高確率で転倒する恐れがあるので要注意です。
雪の石段を何とかクリアすると、浄土院に到着。
浄土院は比叡山の開祖・伝教大師の御廟所で、比叡山の中でも一番の聖域です。
浄土院を撮影していたら、突然外から何かが落ちるような音が。
急いで外に出てみると、ご覧のように屋根に積もった雪が一斉に落ちていました。
この道は釈迦堂へ通じる道だったので、あと数分ここへ来るのがずれていたら直撃を食らっていたかも……。
浄土院から10分ほど歩いて釈迦堂に到着。
釈迦堂は比叡山西塔地区の本堂で、正式名称は転法輪堂。
元々は三井寺の金堂として建てられましたが、豊臣秀吉によって1596年に比叡山へと移築しました。
その釈迦堂にある手水舎を見てみたら、なんと凍り付いていました。
柄杓もほとんど氷の中に埋まっていて、これでは使えません(笑)。
こういう光景は初めて見ました。
よく見たら水は流れ続けていましたが、この時季は氷点下の気温が続くので、こんなに凍ってしまったのでしょう。
ここまで雪の中、東塔地区・西塔地区と歩いて、残るは横川(よかわ)地区ですが、ここから東海自然歩道を歩いて往復3〜4時間掛かるらしいので、とてもそこまで行って帰って来られる体力や時間的余裕はありません(冬季はシャトルバスも運休)。
横川地区へは、また別の季節に行くことにしましょう。
でも、雪が積もった冬の横川地区も、一度は行ってみたいかも……。
そんなこんなで、釈迦堂から引き返して坂本ケーブルの延暦寺駅に着くまで約35分。
最終便が発車する15分前だったので、行きと違って運転席を撮影する余裕もありました。
ちなみに最終便に乗っていた参拝客は私一人のみ。
それ以外の人は全員、延暦寺の職員さん達でした。
なお、坂本ケーブルの1月〜2月にかけての最終便は17時00分発。
乗り遅れたら大変なので、この季節に限らず最終便の発車時刻は必ずチェックしておきましょう。

坂本ケーブルの時刻表
行きは撮影する余裕がなかった、ケーブル坂本駅の改札口。
駅舎が登録有形文化財に選定されているだけあって、良い味出してます。
ラストは、ゆるやかな曲線を描く屋根が目を引く、京阪電車の坂本駅。
芸術的な趣を感じつつ、本日は終了です。

(今回の動画)
比叡山延暦寺・西塔地区   坂本ケーブル・下り




     

inserted by FC2 system